養育費算定表の見方・使い方|年収から相場を読み取る方法【2026年版】

「算定表を見たけれど、どこをどう読めばいいのか分からない…」「自分のケースだとどの表を使うの?」と困っていませんか。私も最初に算定表を見たとき、数字がたくさん並んでいて頭が真っ白になりました。でも、読み方のコツさえ掴めば、5分で自分のケースの相場が分かるようになります。一緒に確認していきましょうね。
まず、これだけは知ってください
- 養育費算定表は「子どもの人数と年齢の組み合わせ」で使う表が決まり、「双方の年収」の交点で相場(幅)が読み取れます
- 給与所得者は「源泉徴収票の支払金額」、自営業者は「確定申告書の課税される所得金額+実際に支出していない控除」を年収として使います
- 算定表の金額はあくまで目安であり、特別な事情(私立学校・障害・住宅ローン)がある場合は調停で加算・減算の主張ができます
1. 養育費算定表とは——裁判所が使う「相場の基準」
表の縦軸が「義務者(支払う側)の年収」、横軸が「権利者(受け取る側)の年収」で、その交点にある金額帯(例: 6〜8万円)が養育費の相場です。つまり、双方の年収さえ分かれば、誰でも相場を読み取ることができます。
「読み方より先に金額だけ知りたい」という方は、当サイトの養育費相場シミュレーション→ツールを使うを使えば、年収を入力するだけで算定表の読み取りを自動で行い、相場の目安を即座に表示します。この記事を読んだ後に使うと、計算結果の意味がより深く理解できます。
| 表番号 | 子どもの人数 | 子どもの年齢 |
|---|---|---|
| 表1 | 1人 | 0〜14歳 |
| 表2 | 1人 | 15歳以上 |
| 表3 | 2人 | 2人とも0〜14歳 |
| 表4 | 2人 | 1人が15歳以上、1人が0〜14歳 |
| 表5 | 2人 | 2人とも15歳以上 |
| 表6 | 3人 | 3人とも0〜14歳 |
| 表7 | 3人 | 2人が0〜14歳、1人が15歳以上 |
| 表8 | 3人 | 1人が0〜14歳、2人が15歳以上 |
| 表9 | 3人 | 3人とも15歳以上 |
「算定表って難しそう…」と思うかもしれませんが、やることは3つだけ。(1)使う表を選ぶ、(2)双方の年収を確認する、(3)交点を読む。これだけです。
2. 年収の調べ方——給与所得者と自営業者で違う
算定表で使う「年収」は、手取り額ではなく税込みの総収入(額面)です。ただし、給与所得者と自営業者では、使う数字が異なります。ここを間違えると相場が大きくずれるので注意してください。
給与所得者の場合は、源泉徴収票の「支払金額」欄の数字をそのまま使います。これは税金や社会保険料が引かれる前の総額です。源泉徴収票が手元にない場合は、毎月の給与明細の「総支給額」×12か月+賞与で概算できます。
自営業者の場合は、確定申告書の「課税される所得金額」に、実際には支出していない控除(青色申告特別控除・専従者給与・基礎控除など)を加算した金額を使います。これは、自営業者は経費を差し引いた後の所得が申告されるため、給与所得者と同じ基準に揃えるための調整です。
相手の年収が分からない場合は、調停を申し立てれば裁判所が相手に収入資料の提出を求めます。また、2026年改正で養育費の債権者は相手の勤務先情報を裁判所経由で取得できるようになっています。
| 区分 | 使う書類 | 使う数字 |
|---|---|---|
| 給与所得者 | 源泉徴収票 | 「支払金額」欄(税込み総額) |
| 給与所得者(源泉徴収票なし) | 給与明細 | 総支給額×12か月+賞与 |
| 自営業者 | 確定申告書(第一表) | 「課税される所得金額」+青色申告特別控除+専従者給与+基礎控除等 |
| 年金受給者 | 年金振込通知書 | 年間の年金総額(税引前) |
| 無職・収入不明 | — | 潜在的稼働能力(賃金センサスの平均賃金)で推定 |
相手が「年収を低く申告している」場合の対処
自営業者の相手が経費を水増しして所得を低く見せているケースは少なくありません。調停では、生活水準(車・住居・旅行)と申告所得の矛盾を指摘したり、同業種の平均所得(賃金センサス)を基準にするよう主張できます。証拠(SNSの投稿・高額な買い物の写真など)を集めておきましょう。
3. 算定表の読み方——交点の見つけ方を具体例で解説
実際に算定表を読む手順を、具体例で説明します。
【例】子ども1人(10歳)、義務者(夫・給与所得者)の年収500万円、権利者(妻・給与所得者)の年収150万円の場合。
まず使う表は「表1」(子ども1人・0〜14歳)です。次に、表の縦軸(左側)で義務者の年収「500万円」の位置を探します。給与所得者なので外側の目盛りを使います。横軸(下側)で権利者の年収「150万円」の位置を探します(こちらも給与の外側目盛り)。
縦軸500万円から右に線を引き、横軸150万円から上に線を引いて、交わる点がどの金額帯に入っているかを見ます。この例では「6〜8万円」の帯に入るため、養育費の相場は月額6〜8万円ということになります。
金額帯の中でどこに落ち着くかは、個別の事情(住宅ローンの負担・子どもの教育費・医療費など)を考慮して決まります。調停では、特段の事情がなければ帯の中央値付近で合意することが多いです。
算定表を自分で読むのが難しければ、当サイトの相場シミュレーションを使ってみてください。年収を入力するだけで、どの表のどの帯に当たるかを自動で計算してくれますよ。
4. 算定表の金額では足りない・多すぎるケース
算定表はあくまで「標準的なケース」を前提にした目安です。以下のような特別な事情がある場合は、算定表の金額から加算または減算して主張することができます。調停や審判では、これらの事情を具体的な資料(見積書・領収書・診断書など)で示すことが重要です。
加算が認められやすいケースとしては、(1)子どもが私立学校に通っている(公立との差額の一部を加算)、(2)子どもに障害や慢性疾患があり医療費が高額、(3)義務者の年収が2,000万円を超える(算定表の上限を超える部分)、などがあります。
一方、減算が認められるケースとしては、(1)義務者が住宅ローンを負担しており権利者がその住宅に住んでいる(住居費の二重負担)、(2)義務者に前婚の子どもへの養育費支払い義務がある、(3)権利者が実家に住んでおり住居費がかからない、などがあります。
ただし、これらの加算・減算は自動的に認められるわけではなく、調停委員や裁判官に対して「なぜ算定表の金額では不適切なのか」を具体的に説明し、資料で裏付ける必要があります。
| 事情 | 方向 | 修正の目安 |
|---|---|---|
| 子どもが私立学校に通学 | 加算 | 公立との学費差額の50〜70%程度 |
| 子どもに障害・慢性疾患あり | 加算 | 医療費の実費分(保険適用外含む) |
| 義務者の年収が2,000万円超 | 加算 | 算定表の上限を超える部分を按分 |
| 権利者が義務者名義の住宅に居住 | 減算 | 住宅ローン支払額の一部(2〜3割程度) |
| 義務者に前婚の子への養育費あり | 減算 | 前婚の養育費額を考慮して再計算 |
| 権利者が実家に同居(住居費なし) | 減算 | 住居費相当額(1〜2万円程度) |
「算定表より高くしたい」場合は証拠が必須です
調停で算定表を超える金額を主張するには、具体的な資料(学費の見積書・医療費の領収書・習い事の月謝表など)が必要です。「子どもにお金がかかるから」という抽象的な主張だけでは認められません。
5. 算定表と実際の合意額のギャップ——統計データから見る現実
算定表の金額と、実際に合意される養育費の金額には、しばしばギャップがあります。厚生労働省の「全国ひとり親世帯等調査」(令和3年度)によると、養育費を受け取っている母子世帯の平均月額は約5万円ですが、算定表で計算すると6〜8万円が相場になるケースが多く、実際の受取額は算定表より低い傾向があります。
この差が生じる主な理由は、(1)協議離婚で算定表を知らずに低い金額で合意してしまう、(2)「早く離婚したい」気持ちから妥協してしまう、(3)相手の収入を正確に把握できないまま合意する、などです。
逆に、調停や審判を経た場合は、ほぼ算定表どおりの金額で決まります。つまり、算定表の金額を知ったうえで交渉に臨むことが、適正な養育費を確保するための第一歩です。
「もう決めてしまったから変えられない」と思っていませんか? 収入の変動や子どもの成長(進学)があれば、いつでも増額の申立てができます。諦めないでくださいね。
6. 婚姻費用算定表との違い——別居中の方はこちら
算定表には「養育費」用(表1〜9)と「婚姻費用」用(表10〜19)の2種類があります。別居中でまだ離婚していない方が使うのは「婚姻費用算定表」です。
婚姻費用(こんいんひよう)とは、別居中の配偶者と子どもの生活費のことで、養育費(子どもの分だけ)よりも金額が高くなります。これは、婚姻費用には配偶者自身の生活費も含まれるためです。
例えば、同じ年収条件(義務者500万円・権利者150万円・子ども1人10歳)で比較すると、養育費は月6〜8万円ですが、婚姻費用は月10〜12万円程度になります。別居中の方は、離婚が成立するまでの間、婚姻費用を請求できる権利があります。
よくある質問
Q.算定表の年収は手取りではなく額面(税込み)で見るのですか?
Q.相手の年収が分からない場合はどうすればいいですか?
Q.算定表は何年ごとに改定されますか?次の改定はいつですか?
Q.子どもが4人以上いる場合はどうすればいいですか?
Q.算定表の金額に含まれる費用と含まれない費用は何ですか?
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※こちらでの解説は一般的な内容であり、個別のケースへの法的助言ではありません。具体的な判断に迷うときは、必ず専門家にご相談ください。