養育費の不払い、国が立て替えてくれる制度はいつから?

「養育費が支払われないとき、国が立て替えてくれる制度ができるって聞いたけど、いつから始まるの?」と気になっていませんか。毎月の生活がかかっているからこそ、確実な支援があると安心ですよね。今回は、国の立替制度の現状と、今すぐ活用できる支援について、一緒に確認していきましょう。
まず、これだけは知ってください
- 2026年7月現在、全国一律で使える「国による養育費立替制度」は存在せず、開始時期も未定です
- 2026年4月施行の「法定養育費」は、国がお金をくれる制度ではなく、相手に月2万円を請求できる権利です
- 国の制度を待つのではなく、自治体の立替・保証支援や、公正証書の作成など、今できる対策を進めましょう
1. 結論:国による養育費立替制度は現在ありません
結論からお伝えすると、2026年7月現在、全国一律で使える「国による養育費立替制度」は存在しません。「いつから始まるの?」という疑問に対する答えは、残念ながら「未定」となります。
国レベルでの動きとしては、2020年に法務大臣が勉強会を設置し、海外の制度(フランス、ドイツ、スウェーデンなどでは国の立替制度があります)の研究が進められました。その後、2024年に「不払養育費の立替・取立制度の導入に関する法律案」が国会に提出されましたが、成立には至らず審議未了となっています。
つまり、法案は出されたものの、実際に制度としてスタートするかどうか、またいつから始まるかは全く決まっていないのが現状です。そのため、国の立替制度が始まるのを待つのではなく、今ある制度を活用して対策を立てることが重要になります。

「国が助けてくれるかも」と期待していた方には、がっかりさせてしまうかもしれません。でも、落ち込まないでくださいね。代わりに今すぐ使える制度をこれから紹介していきます。
2. 混同注意!2026年4月施行の「法定養育費」とは?
国の立替制度とよく混同されるのが、2026年4月1日に施行された改正民法による「法定養育費制度」です。ニュースなどで「養育費の新しい法律ができた」と聞いて、国が立て替えてくれると誤解されることがありますが、これは全く別の制度です。
法定養育費制度とは、離婚時に養育費の取り決めをしていなくても、取り決めができるまでの間、子ども1人あたり月額2万円を相手に請求できる権利のことです。つまり、国がお金をくれる(立て替えてくれる)わけではなく、あくまで「元パートナーに対して請求できる最低限の権利」が法律で定められたということです。
この制度は、養育費の取り決めがないまま離婚してしまった方を救済するための、暫定的・補充的な仕組みです。すでに養育費の取り決めがある場合や、月額2万円以上の養育費を希望する場合は、これまで通り当事者間の話し合いや調停で決める必要があります。
| 比較ポイント | 国の立替制度(未成立) | 法定養育費(2026年4月施行) |
|---|---|---|
| お金を支払うのは誰か | 国(立て替えた後、国が相手に請求) | 元パートナー本人 |
| 現在利用できるか | 利用できない(法案は審議未了) | 利用できる(取り決めなしの離婚が対象) |
| 金額 | 未定 | 子ども1人あたり月額2万円(取り決めまでの暫定) |
| 相手が払わないとき | 国が取り立てる想定だった | 自分で請求・強制執行の手続きが必要 |
法定養育費は「国からの支給」ではありません
法定養育費は、国や自治体から毎月2万円が振り込まれる制度ではありません。支払う義務があるのは元パートナーであり、相手が支払わない場合は、ご自身で請求や強制執行の手続きを行う必要があります。
3. 改正民法で養育費の回収はどう変わった?
2026年4月1日施行の改正民法では、法定養育費の他にも、養育費を回収しやすくするための重要な変更がありました。特に注目すべきポイントは「先取特権(さきどりとっけん)」と「裁判手続きの利便性向上」です。
先取特権とは、簡単に言うと「他の借金などよりも優先して養育費を回収できる権利」です。これまでは、強制執行(差し押さえ)をするために公正証書や調停調書などの「債務名義」が必要でしたが、改正後は、文書(合意書など)での取り決めさえあれば、債務名義がなくても差し押さえの申し立てが可能になりました(※施行後に発生した養育費に限ります)。
また、相手の財産を調べる手続きもスムーズになりました。これまでは財産開示、給与情報の取得、差し押さえと段階を踏む必要がありましたが、地方裁判所への1回の申し立てで、これらをワンストップで行えるようになりました。さらに、相手に収入情報の開示を命じる制度も新設されています。
改正民法を活用するためのチェックポイント
- 養育費の取り決めを「文書(合意書など)」で残しているか
- 相手の勤務先や口座情報を把握しているか
- 未払いの記録(通帳の記帳など)をしっかり残しているか
4. 今すぐ使える!自治体の立替・保証支援制度
国の制度がない現在、頼りになるのが各自治体が行っている独自の支援事業です。お住まいの地域によって内容は異なりますが、大きく分けて「自治体が直接立て替えてくれる制度」と「保証会社の保証料を補助してくれる制度」の2つがあります。
例えば、兵庫県明石市は2018年に全国初のパイロット事業を始め、現在は市が直接養育費を立て替える事業を行っています。埼玉県さいたま市でも、最大3カ月(月5万円上限)まで市が立て替え、その後市が相手に督促を行う制度があります。
一方、多くの自治体(仙台市、品川区、大阪市、福岡市など)で導入されているのが、民間の養育費保証会社を利用する際の「保証料補助」です。これは、初回保証料(上限5万円程度)を自治体が負担してくれるというものです。ただし、利用には公正証書などの債務名義が必要になることが多いので注意が必要です。
| 支援のタイプ | 主な自治体の例 | 制度の概要と特徴 |
|---|---|---|
| 自治体による直接立替 | 明石市、さいたま市など | 市が一時的に養育費を立て替え、相手に督促を行う(期間や上限額あり) |
| 保証料の補助 | 仙台市、品川区、大阪市、福岡市など | 民間の保証会社を利用する際の初回保証料(上限5万円程度)を補助する |
| 手続き費用の補助 | 各自治体(2026年4月以降順次) | 強制執行(差し押さえ)にかかる裁判費用などを補助する |
お住まいの自治体がどのような支援を行っているか、ぜひ一度「〇〇市 養育費 補助」などで検索したり、役所の窓口で相談したりしてみてくださいね。
5. 国の制度を待たずに、今できる対策
令和3年度の全国ひとり親世帯等調査によると、母子家庭で養育費の取り決めをしているのは46.7%、現在も受け取っているのはわずか28.1%にとどまっています。多くの方が養育費を受け取れていないのが現実です。
いつ始まるか分からない国の立替制度を待つのではなく、今できる対策を確実に行うことが大切です。まずは、養育費の取り決めを「公正証書」などの債務名義にしておくこと。これが強制執行や自治体の支援を受けるための第一歩になります。
また、民間の養育費保証会社を利用するのも一つの方法です。未払いが発生した際に保証会社が立て替えてくれますが、手数料がかかるなどのデメリットもあります。日弁連は2020年の意見書で「現時点では推奨できない」としている側面もあるため、利用する際は契約内容をよく確認し、自治体の補助制度と併用することをおすすめします。
保証会社の利用は慎重に検討を
保証会社は未払い時に立て替えてくれますが、相手への取り立てが厳しくなり関係が悪化するリスクや、保証期間に上限がある場合があります。メリットとデメリットをしっかり比較して決めましょう。
よくある質問
Q.国の養育費立替制度はいつから始まりますか?
Q.2026年4月から始まった「法定養育費」とは何ですか?
Q.相手が養育費を払わない場合、国や役所が代わりに取り立ててくれますか?
Q.自治体の養育費支援を受けるには何が必要ですか?
Q.養育費保証会社を利用した方がいいですか?
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※こちらでの解説は一般的な内容であり、個別のケースへの法的助言ではありません。具体的な判断に迷うときは、必ず専門家にご相談ください。