養育費の公正証書のつくり方 完全ガイド【費用・期間・自分で作る手順】

最終更新: 2026-07-29|読了目安 約12
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こはるが一番知ってほしいこと。未払いに備える最強の武器「公正証書」を、自分で作るための完全ガイドです。
こはる

「公正証書を作ったほうがいいって聞くけど、難しそう…」「相手にどう切り出せばいいか分からない」と、不安な気持ちでいっぱいになっていませんか。私も最初は同じように悩みました。でも、公正証書はあなたと子どもの未来を守る「最強の武器」になります。実は、専門家に頼まなくても自分で作ることができるんですよ。費用や期間、具体的な手順まで、一緒に確認していきましょうね。

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やり方は一つずつ、この記事で確認できます。焦らなくて大丈夫ですよ。

まず、これだけは知ってください

  • 「強制執行認諾文言」を入れた公正証書があれば、未払い時に裁判なしで直ちに相手の給与や預貯金を差し押さえることができます
  • 公証人手数料は養育費の額によって決まり、多くの場合1万〜3万円程度です。自治体の補助制度を使えば実質負担を大きく減らせます
  • 完成までには標準で2週間〜1ヶ月程度かかります。離婚届を出す前に、夫婦で内容を話し合って作成するのが最もスムーズです

公正証書とは?なぜ「最強の備え」なのか

公正証書は、法務大臣に任命された公証人が公証役場で作成する公文書です。夫婦が自分たちで書いた離婚協議書も契約としては有効ですが、相手が約束を破ったとき、協議書だけでは差押えができず、調停や裁判からやり直すことになります。離婚協議書の具体的な書き方やテンプレートは「離婚協議書の書き方」→記事を読むで解説しています。

ここで決定的に重要なのが「強制執行認諾文言」です。「支払いを怠った場合は直ちに強制執行に服する」という趣旨の一文で、これが入った公正証書は「債務名義」(強制執行を可能にする公的書面)になります。つまり、未払いが起きたら裁判なしで、すぐに相手の給与や預貯金の差押えを申し立てられるのです。

さらに、公正証書の原本は公証役場に原則20年間保管されるため、紛失や改ざんの心配がありません。「相手を疑っているみたいで気が引ける」と感じる方も多いのですが、公正証書は保険と同じで、お互いが約束を守り続けるための仕組みです。支払う側にとっても「払った・払わない」のトラブルを防げるメリットがあります。

公正証書の作成フロー図解:夫婦で内容を決める→必要書類を準備→公証役場に予約・相談→公証人が原案作成→夫婦で署名→正本を受け取る
公正証書の作成は6つのステップで進みます
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「相手を信じたい」という気持ち、よく分かります。でも、公正証書は「信じているからこそ、お互いのために形に残す」ものだと考えてみてくださいね。

まず養育費の相場を確認する
取り決め金額の目安を年収から1分で自動計算

気になる費用(1)公証人手数料の早見表

公証人手数料は法令(公証人手数料令)で全国一律に決まっており、どの公証役場でも同じ金額です。養育費の場合、手数料の基準となる「目的価額」は支払総額ではなく、原則として5年分の総額で計算します(支払期間が5年未満ならその実期間分)。子どもが2人以上いる場合は合算です。

例えば月3万円なら5年分で180万円となり手数料は7,000円、月5万円なら300万円で13,000円です。同じ公正証書に慰謝料や財産分与も入れる場合は、それぞれ別に目的価額を計算して手数料が加算されます。

手数料本体のほかに、正本・謄本の交付料(1枚250円×枚数で数千円程度)と、強制執行に備えた「送達」関係の費用(数千円程度)がかかります。全部合わせても、養育費のみの取り決めなら総額1万〜3万円程度に収まるケースが大半です。※手数料額は令和7年10月改定後の基準です。

取り決める養育費目的価額(5年分)公証人手数料
月2万円120万円7,000円
月3万円180万円7,000円
月4万円240万円13,000円
月5万円300万円13,000円
月8万円480万円13,000円
月10万円600万円20,000円
月3万円×子ども2人360万円13,000円

慰謝料や財産分与を含めると費用が上がります

養育費だけでなく、慰謝料や財産分与の取り決めも同じ公正証書に記載する場合、それぞれの金額(目的価額)に応じて手数料が加算されます。事前に総額の目安を公証役場に確認しておくと安心です。

気になる費用(2)自治体の補助で実質負担を減らす

多くの自治体が、ひとり親の養育費確保支援として公正証書の作成費用を補助しています。補助上限は自治体により2万〜5万円程度で、手数料のほぼ全額をカバーできる場合も少なくありません。

補助の対象・条件・申請方法は自治体ごとに異なり、「作成前の事前申請」が条件になっている場合もあります。公証役場に行く前に、お住まいの市区町村のひとり親支援窓口へ確認しておくのが確実です。当サイトの都道府県別ページに、各県の補助制度と問い合わせ先、県内の公証役場一覧をまとめてあります。

お住まいの県の補助制度・公証役場を確認する
47都道府県の支援制度と公証役場一覧を掲載

どれくらいかかる?完成までの期間とスケジュール

標準的には、公証役場に最初に連絡してから完成まで2週間〜1か月程度を見ておくと安心です。内容がシンプルで書類が揃っていれば1週間程度で完成することもありますが、役場の混雑や内容の修正回数によっては1〜2か月かかることもあります。

流れを時系列にすると、(1)公証役場に電話やメールで相談予約(混雑期は1〜2週間待ちのことも)、(2)必要書類を揃えて事前相談に行き、合意内容を伝える、(3)公証人が原案を作成し、メール等で内容を確認・修正(1〜2週間程度)、(4)作成当日、夫婦そろって役場に出向き、公証人の読み聞かせ→署名押印→手数料の支払い→正本・謄本の受け取り(所要30分〜1時間)、となります。

注意したいのは、公証役場が開いているのは平日の日中(おおむね9時〜17時)だけということです。お仕事をされている方は、事前相談と作成当日の少なくとも2回、平日に時間を作る必要があります。また、タイミングとしては離婚届を出す前に作成するのが基本形です。離婚成立前なら「離婚することと、その条件」を1通にまとめられ、相手の協力も得やすいからです(離婚後でも作成はできます)。

公正証書完成までのスケジュール図解:相談予約から事前相談、原案確認、作成当日までの流れと所要期間
完成までには数週間かかります。離婚届を出す前に余裕を持って準備を始めましょう

一番の難所: 相手にどう切り出すか

実は、公正証書づくりで最もつまずきやすいのは手続きではなく「相手との合意」です。切り出すときのポイントは、相手を責める言い方を避けて、「あなたを疑っているからではなく、お互いが後から揉めないための書面」と伝えることです。「市役所やひとり親の窓口ですすめられた」「補助制度があるうちに作っておきたい」など、第三者を理由にすると角が立ちにくくなります。

支払う側のメリットを伝えるのも効果的です。公正証書があれば「払った・払っていない」の水掛け論を防げますし、金額と期間が明確になることで、後から際限なく請求される不安も消えます。

「合意はできたが、2人そろって公証役場に行くのが難しい」場合は、代理人方式が使えます。合意した契約内容の書面を添付した委任状(実印を押印)と印鑑登録証明書があれば、本人の代わりに代理人が出席できます。ただし、夫婦双方を同じ1人の代理人にすることは認められない運用が一般的なので、事前に公証役場へ確認してください。

それでも相手が作成自体を拒む場合、公正証書の作成を強制することはできません。その場合は家庭裁判所の調停(離婚前なら離婚調停、離婚後なら養育費請求調停)に切り替えましょう。調停で合意すれば「調停調書」が作成され、これは公正証書と同等以上の執行力を持ちます。DVなどで相手と顔を合わせられない事情がある場合も、調停なら同席せずに(待合室も別々で)進められます。

こはる

相手に切り出すのは本当に勇気がいりますよね。でも、ここでしっかり話し合っておくことが、将来の安心に必ずつながります。応援していますよ。

相手が応じない場合は調停を検討する
調停の流れや費用、期間について詳しく解説しています

公正証書に入れる項目チェックリスト

公証役場に相談する前に、次の項目を夫婦で決めておくと手続きが一気にスムーズになります。このチェックリストは、公証人が実際に確認する標準的な構成(離婚給付等契約公正証書)に沿っています。メモにまとめて事前相談に持参すれば、そのまま原案づくりの材料になります。

特に見落としやすいのは「特別費用」です。進学時の入学金、大きな病気やケガの医療費など、毎月の養育費でカバーできない臨時の出費について、「その都度双方で協議して負担を決める」という一文だけでも入れておくと、将来の揉めごとを大きく減らせます。

項目決めておく内容ポイント
養育費の月額子ども1人あたりの金額裁判所の算定表ベースが実務標準
支払日・支払方法毎月何日に・どの口座へ振り込むか振込手数料の負担者も決めておく
支払いの始期・終期いつから、子どもが何歳になるまでか「22歳に達した後の3月まで」等の定め方も可
特別費用の分担進学費用・医療費など臨時の出費「別途協議する」の一文だけでも入れる
増減額の条件再婚・収入の大きな変動があったとき「事情変更時は協議する」旨を記載
面会交流頻度・方法(月1回など)詳細は「別途協議」でも可
慰謝料・財産分与同じ証書に入れる場合の金額と支払方法手数料の目的価額に加算される
住所変更等の通知義務転居・転職時に相手へ知らせる義務将来の強制執行のために重要
強制執行認諾文言支払いを怠ったら直ちに強制執行に服する旨絶対に外せない最重要条項

事前相談に持参するメモの確認

  • 養育費の金額、支払日、振込先口座が決まっているか
  • 支払いの開始時期と終了時期が明確か
  • 特別費用(進学・医療費など)の分担について話し合ったか
  • 強制執行認諾文言を入れることに双方が合意しているか
特別費用の決め方・請求方法を詳しく見る
入学金・習い事・医療費など、毎月の養育費に含まれない費用の分担ルールを解説しています

必要書類と公証役場の探し方

必要書類の基本は2つです。(1)本人確認資料: 印鑑登録証明書(発行3か月以内)+実印、または運転免許証・マイナンバーカード+認印など。(2)戸籍謄本: 離婚前に作る場合は夫婦と子どもが記載された現在の戸籍謄本、離婚後に作る場合は双方の離婚後の戸籍謄本です。財産分与に不動産を含める場合は登記事項証明書と固定資産税の資料、年金分割を入れる場合は年金番号の分かる資料も用意します。

公証役場は全国に約300か所あり、どの役場を利用しても構いません(住所地の制約はありません)。自宅や職場の近くなど、通いやすい役場を選べます。公証人への相談は何度でも無料です。多くの役場が事前予約制なので、まず電話で「離婚に伴う養育費の公正証書を作りたい」と伝えて予約を取りましょう。

必要書類は事前に公証役場に確認を

取り決める内容(不動産や年金など)によって、追加で必要な書類が変わります。二度手間を防ぐためにも、事前相談の予約を取る際に、電話で「自分のケースでは何が必要か」を確認しておくことをおすすめします。

作成当日の流れと、完成後にやっておくこと

作成当日は、夫婦(または代理人)がそろって公証役場に出向きます。公証人が証書の内容を読み聞かせ、双方が間違いないことを確認して署名押印すれば完成です。所要時間は30分〜1時間程度。その場で手数料を支払い、支払いを受ける側が「正本」、支払う側が「謄本」を受け取るのが一般的です。

完成後に必ずやっておきたいのが「送達」です。将来、強制執行を申し立てるには、公正証書の謄本が支払う側に送達されている必要があります。作成当日に相手が謄本を受け取る「交付送達」を済ませておけば、いざというときの手続きがスムーズです。公証人に「送達と送達証明書もお願いします」と伝えておきましょう。

受け取った正本は、児童扶養手当の申請など公的な手続きで提示を求められることがあります。大切に保管し、コピーを1部とっておくと安心です。

こはる

作成当日は緊張するかもしれませんが、公証人さんが丁寧に読み上げてくれるので大丈夫ですよ。送達の手続きだけは忘れないようにしてくださいね。

完成後の備え: 未払いに備える「養育費保証会社」という選択肢
公正証書があれば契約しやすく、自治体の保証料補助(最大5万円程度)も使えます

公正証書がない場合の請求方法

すでに離婚していて公正証書がない場合でも、諦める必要はありません。相手が話し合いに応じるなら、今からでも公正証書を作成できます。応じない場合は、家庭裁判所の養育費請求調停を申し立てることで、調停調書という公正証書と同等以上の効力を持つ債務名義を取得できます。

公正証書なしの状態からの具体的な請求手順は「公正証書なし・取り決めなしでも養育費は請求できる」→記事を読むで詳しく解説しています。

「相手が話し合いに応じない」「調停の進め方が分からない」という方は、弁護士の無料相談で、あなたのケースの最短ルートを確認することをおすすめします。

難しいと感じたら: 専門家に頼るという選択肢

ここまでの手順は、すべて自分で進められます。夫婦間の合意さえできていれば、原案は公証人が整えてくれるので、法律の専門知識がなくても公正証書は作れます。私自身、「知っていれば自分でできたのに」と後から思ったひとりです。

一方で、相手との交渉が難航している、財産分与や慰謝料も絡んで条件が複雑、DVで直接やり取りできない——そうした場合は、無理に自分で進めるより弁護士に依頼するほうが、結果的に早く・有利にまとまることが多いのも事実です。弁護士費用の相場や費用を抑える方法は、別の記事で詳しく解説しています。逆に「できる限り自分で進めて費用を抑えたい」という方は、話し合いから調停・強制執行まで自分で行う手順をまとめた「弁護士なしで養育費を請求する方法」→記事を読むも参考にしてください。

「まずは無料で聞いてみたい」という方は、法テラスや弁護士会の無料相談、AIこはるへの質問から始めてみてください。

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よくある質問

Q.公正証書は離婚した後でも作れますか?
A.はい、離婚後でも作成可能です。ただし、離婚後は相手と連絡が取りづらくなったり、相手が話し合いに応じなくなったりするリスクが高まります。そのため、できる限り離婚届を提出する前に作成しておくことを強くおすすめします。
Q.相手が「公正証書は作らないが、念書なら書く」と言っています。大丈夫ですか?
A.念書や夫婦間で作った離婚協議書だけでは、相手が支払いを止めたときにすぐに差押え(強制執行)をすることができません。改めて裁判所での調停や裁判が必要になり、時間も費用もかかってしまいます。確実な回収のためには、必ず「強制執行認諾文言」を入れた公正証書を作成してください。
Q.公正証書を作れば、絶対に養育費を払ってもらえますか?
A.公正証書自体が自動的にお金を振り込んでくれるわけではありません。しかし、未払いが発生した際に、裁判なしで相手の給与や預貯金を差し押さえることができる強力な効力があります。この「いつでも差し押さえられる」というプレッシャーが、相手に支払いを続けさせる大きな抑止力になります。
Q.公正証書で決めた養育費の金額は、後から変更できますか?
A.はい、事情が大きく変わった場合(例えば、支払う側の収入が大幅に減った、受け取る側が再婚したなど)は、金額の変更が可能です。まずは当事者同士で話し合い、合意できれば新たな公正証書を作成します。話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に養育費増額(または減額)請求調停を申し立てることになります。
Q.公正証書に記載した養育費の時効は何年ですか?
A.公正証書で取り決めた養育費の消滅時効は、原則として「各支払期日から5年」です。ただし、時効が完成する前に強制執行を申し立てるなどの手続きを行えば、時効をリセット(更新)することができます。未払いが発生したら、放置せずに早めに対処することが重要です。

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※こちらでの解説は一般的な内容であり、個別のケースへの法的助言ではありません。具体的な判断に迷うときは、必ず専門家にご相談ください。