公正証書なし・取り決めなしでも養育費は請求できる【2026年改正対応】

結論:公正証書がなくても請求できる
まず結論からお伝えすると、公正証書がなくても、離婚協議書がなくても、さらには取り決め自体をしていなくても、養育費は請求できます。養育費を請求する権利は、親同士の契約書から生まれるものではなく、親の子どもに対する扶養義務(民法877条)から当然に生じるものだからです。
厚生労働省の全国ひとり親世帯等調査では、母子世帯の約半数が養育費の取り決めをしていません。理由として最も多いのが「相手と関わりたくない」、次いで「相手に支払う意思や能力がないと思った」です。しかし取り決めがないままでは、相手の任意の支払いに頼るしかなく、実際に受け取れている世帯は3割弱にとどまります。書面がないことは「請求できない理由」ではなく、「これから請求の形を整えるべき理由」なのです。
書面の種類別:あなたの現在地を確認
ひとくちに「公正証書がない」と言っても、状況はいくつかに分かれます。自分がどの段階にいるかで、次にやるべきことが変わります。
| 現在の状況 | 法的な効力 | 次にやること |
|---|---|---|
| 取り決め自体なし | 法定養育費(月2万円)は請求可 | 養育費請求調停の申立て |
| 口約束のみ | 合意は有効だが証明が困難 | 書面化 or 調停で債務名義化 |
| LINE・メールに記録あり | 合意の証拠になりうる | 記録を保全して調停へ |
| 離婚協議書(私文書)あり | 契約として有効・執行力なし | 公正証書化 or 調停 |
| 公正証書(認諾文言なし) | 証拠力は高いが執行力なし | 調停 or 訴訟で債務名義化 |
2026年4月改正:取り決めなしでも「法定養育費」を請求できる
2026年4月施行の改正民法で、養育費の取り決めをしないまま離婚した場合でも、子ども1人あたり月2万円の「法定養育費」を離婚の日に遡って請求できる制度が新設されました。これは「取り決めをしていないから1円ももらえない」という状況をなくすための最低保障です。
さらに重要なのが、養育費債権に「先取特権」が認められたことです。これにより、公正証書などの債務名義がなくても、一定の手続きを経て相手の財産を差し押さえることが可能になりました。「書面がないから差押えは無理」という常識は、すでに過去のものになっています。
ただし、法定養育費の月2万円はあくまで最低ラインです。裁判所の算定表に基づく適正額は、相手の年収400万円・子ども1人でも月4〜6万円程度と、法定額を大きく上回るのが普通です。法定養育費で満足せず、調停等で適正額の取り決めを目指しましょう。
取り決めゼロから請求する3つのルート
第一のルートは「話し合い+公正証書化」です。相手と連絡が取れ、支払いに応じる姿勢があるなら、金額・支払日・終期を合意して強制執行認諾文言付き公正証書にします。公証役場の手数料は数万円程度で、多くの自治体が作成費用の補助制度を設けています。
第二のルートは「養育費請求調停」です。相手が話し合いに応じない、連絡を取りたくない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てます。申立費用は収入印紙1,200円(子ども1人につき)と郵便切手代のみ。調停で合意できれば調停調書が、不成立でも自動的に審判に移行して審判書が作成され、いずれも強制執行のできる債務名義になります。
第三のルートは「弁護士による交渉」です。弁護士が代理人として内容証明を送り、裁判外で合意をまとめて公正証書化します。相手と直接やり取りせずに済み、調停より早く解決することも多い方法です。着手金0円の事務所なら費用の持ち出しなく依頼できます。
過去の分はどこまで請求できる?
取り決めがない場合、過去に遡っての請求は原則として「請求の意思を明確にした時点」(調停申立時や内容証明送付時)以降の分に限られるのが家庭裁判所の実務です。つまり、動き出すのが遅れるほど、請求できない期間が積み上がっていきます。
例外として、2026年改正の法定養育費は離婚日まで遡れます。また、相手が支払いを約束していた証拠(LINEでの「毎月3万円払う」というやり取りなど)があれば、その合意時点からの未払い分を請求できる可能性があります。当時のやり取りは消さずに保全しておきましょう。
「相手と関わりたくない」方こそ弁護士へ
取り決めをしなかった理由の第1位は「相手と関わりたくない」でした。DVやモラハラが背景にある場合はなおさらです。弁護士に依頼すれば、相手とのやり取りはすべて弁護士が窓口になり、あなたの現住所を相手に知られずに手続きを進めることも可能です。
「書面が何もない状態」からの依頼を得意とする事務所は多くあります。まずは無料相談で、あなたのケースでどのルートが最短かを確認してみてください。
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取り決め・書面がない状態からの請求も受け付けている事務所です。
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※本記事は一般的な法制度の解説であり、個別のケースへの法的助言ではありません。具体的な判断は必ず弁護士にご相談ください。