公正証書なし・取り決めなしでも養育費は請求できる【2026年改正対応】

最終更新: 2026-07-29|読了目安 約8
公正証書なし・取り決めなしでも養育費は請求できる【2026年改正対応】のイメージ
「書面がないから無理」とあきらめていませんか?取り決めゼロからでも請求への道はあります。
こはる

「離婚のときに養育費の約束をきちんとしなかったから、もう請求できないのかな…」と不安に思っていませんか。実は、私も最初はそう思って諦めかけていました。でも、公正証書がなくても、口約束だけでも、さらには全く取り決めをしていなくても、養育費は請求できるんです。2026年の法律改正で、さらに請求しやすくなりました。あなたとお子さんの大切な権利を守るための方法を、一緒に確認していきましょうね。

🌱

やり方は一つずつ、この記事で確認できます。焦らなくて大丈夫ですよ。

まず、これだけは知ってください

  • 公正証書や取り決めがなくても、親の扶養義務に基づき養育費は請求できます
  • 2026年4月の法改正により、取り決めなしでも子ども1人あたり月2万円の「法定養育費」が請求可能になりました
  • 過去の未払い分は原則として「請求の意思を明確にした時点」からしか請求できないため、早めの行動が重要です

結論:公正証書がなくても養育費は請求できる

まず結論からお伝えすると、公正証書がなくても、離婚協議書がなくても、さらには取り決め自体をしていなくても、養育費は請求できます。養育費を請求する権利は、親同士の契約書から生まれるものではなく、親の子どもに対する扶養義務(民法877条)から当然に生じるものだからです。

厚生労働省の全国ひとり親世帯等調査(令和3年度)では、母子世帯の約半数が養育費の取り決めをしていません。理由として最も多いのが「相手と関わりたくない」、次いで「相手に支払う意思や能力がないと思った」です。しかし取り決めがないままでは、相手の任意の支払いに頼るしかなく、継続的に受け取れている世帯は約28.1%にとどまります。

書面がないことは「請求できない理由」ではなく、「これから請求の形を整えるべき理由」なのです。まずは、現在の状況を整理し、適切な手続きを進めることが大切です。

取り決めなしからの養育費請求3つのルート図解
取り決めがなくても、3つのルートで養育費を請求できます
こはる

「今さら言っても無駄かも」と思う気持ち、よく分かります。でも、お子さんの将来のために、一歩踏み出してみませんか?

書面の種類別:あなたの現在地を確認

ひとくちに「公正証書がない」と言っても、状況はいくつかに分かれます。自分がどの段階にいるかで、次にやるべきことが変わります。まずは、お手元にどのような記録や書面があるかを確認してみましょう。

もし、LINEやメールでのやり取りが残っている場合は、それが合意の証拠になる可能性があります。また、離婚協議書などの私文書がある場合は、契約としては有効ですが、強制執行(差押え)の効力はありません。それぞれの状況に合わせて、公正証書化や調停などの手続きを進める必要があります。

現在の状況法的な効力次にやること
取り決め自体なし法定養育費(月2万円)は請求可養育費請求調停の申立て
口約束のみ合意は有効だが証明が困難書面化 or 調停で債務名義化
LINE・メールに記録あり合意の証拠になりうる記録を保全して調停へ
離婚協議書(私文書)あり契約として有効・執行力なし公正証書化 or 調停
公正証書(認諾文言なし)証拠力は高いが執行力なし調停 or 訴訟で債務名義化

現在の状況を確認するためのチェックリスト

  • 離婚時に養育費について話し合ったか
  • 金額や支払い方法について合意したか
  • 合意内容を記録した書面(離婚協議書など)はあるか
  • LINEやメールなどで養育費に関するやり取りが残っているか
  • 過去に一度でも養育費が支払われたことがあるか(通帳の記録など)
口約束を「証拠」に変える方法を見る
LINE・録音の証拠化から誓約書の書き方、公正証書化までの実務手順を解説しています

2026年4月改正:取り決めなしでも「法定養育費」を請求できる

2026年4月施行の改正民法で、養育費の取り決めをしないまま離婚した場合でも、子ども1人あたり月2万円の「法定養育費」を離婚の日に遡って請求できる制度が新設されました。これは「取り決めをしていないから1円ももらえない」という状況をなくすための最低保障です。

さらに重要なのが、養育費債権に「先取特権」が認められたことです。これにより、優先回収の範囲は子1人あたり月額8万円までとされ、公正証書などの債務名義(強制執行を可能にする公的書面)がなくても、一定の手続きを経て相手の財産を差し押さえることが可能になりました。「書面がないから差押えは無理」という常識は、すでに過去のものになっています。

ただし、法定養育費の月2万円はあくまで最低ラインです。裁判所の養育費算定表(令和元年12月改定版)に基づく適正額は、相手の年収400万円・子ども1人でも月4〜6万円程度と、法定額を大きく上回るのが普通です。法定養育費で満足せず、調停等で適正額の取り決めを目指しましょう。

法定養育費はあくまで「最低保障」です

月2万円の法定養育費は、取り決めがない場合の救済措置です。実際の適正額はもっと高いケースが多いため、安易にこの金額で妥協せず、適正額での合意を目指すことが重要です。

あなたのケースの適正額を30秒で計算する
裁判所の算定表ベース・年収を入れるだけ

取り決めゼロから請求する3つのルート

第一のルートは「話し合い+公正証書化」です。相手と連絡が取れ、支払いに応じる姿勢があるなら、金額・支払日・終期を合意して強制執行認諾文言付き公正証書にします。公証役場の手数料は目的価額により多くは2〜5万円程度で、多くの自治体が作成費用の補助制度(上限3〜5万円など)を設けています。

第二のルートは「養育費請求調停」です。相手が話し合いに応じない、連絡を取りたくない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てます。申立費用は収入印紙1,200円(子ども1人につき)と郵便切手代(1,000円前後)のみ。調停で合意できれば調停調書が、不成立でも自動的に審判に移行して審判書が作成され、いずれも強制執行のできる債務名義になります。

第三のルートは「弁護士による交渉」です。弁護士が代理人として内容証明を送り、裁判外で合意をまとめて公正証書化します。相手と直接やり取りせずに済み、調停より早く解決することも多い方法です。着手金0円の事務所なら費用の持ち出しなく依頼できます。

取り決めゼロから養育費を請求する3つのルートの図解:話し合い、調停、弁護士交渉の流れ
状況に合わせて最適なルートを選ぶことが、確実な回収への近道です
調停の流れを詳しく見る
調停の申立てから成立までの手順を分かりやすく解説しています

過去の分はどこまで請求できる?

取り決めがない場合、過去に遡っての請求は原則として「請求の意思を明確にした時点」(調停申立時や内容証明送付時)以降の分に限られるのが家庭裁判所の実務です。つまり、動き出すのが遅れるほど、請求できない期間が積み上がっていきます。

例外として、2026年改正の法定養育費は離婚日まで遡れます。また、相手が支払いを約束していた証拠(LINEでの「毎月3万円払う」というやり取りなど)があれば、その合意時点からの未払い分を請求できる可能性があります。当時のやり取りは消さずに保全しておきましょう。

なお、養育費債権の消滅時効は、協議・公正証書の場合は各支払期日から5年、調停・審判・判決の場合は10年です。時効が成立する前に、早めに手続きを進めることが重要です。

請求が遅れるほど損をしてしまいます

「いつか払ってくれるだろう」と待っている間に、請求できる期間がどんどん短くなってしまいます。少しでも早く行動を起こすことが、お子さんの権利を守ることに繋がります。

こはる

「もっと早く動いていれば…」と後悔しないためにも、今日からできることを始めてみましょうね。

請求できる未払い総額を確認する
取り決めの有無を選ぶだけ・30秒で自動計算

「相手と関わりたくない」方こそ弁護士へ

取り決めをしなかった理由の第1位は「相手と関わりたくない」でした。DVやモラハラが背景にある場合はなおさらです。弁護士に依頼すれば、相手とのやり取りはすべて弁護士が窓口になり、あなたの現住所を相手に知られずに手続きを進めることも可能です。

「書面が何もない状態」からの依頼を得意とする事務所は多くあります。法テラスを利用すれば、収入等の条件を満たせば無料法律相談(同一問題3回まで)や弁護士費用の立替制度も利用できます。

まずは無料相談で、あなたのケースでどのルートが最短かを確認してみてください。専門家のサポートを受けることで、精神的な負担を大きく減らすことができます。

相談先特徴費用の目安
法テラス収入条件を満たせば無料相談・費用立替が可能無料(相談)、立替費用は分割払い
弁護士(着手金0円)初期費用なしで依頼でき、回収額から報酬を支払う着手金0円、報酬金は回収額の10〜20%程度
自治体の無料相談一般的なアドバイスを受けられる無料
47都道府県の無料相談窓口を探す
お住まいの地域の法テラスや自治体の相談窓口をまとめています

よくある質問

Q.相手の連絡先や住所が分からない場合でも請求できますか?
A.はい、可能です。弁護士に依頼すれば、戸籍の附票などを取得して相手の現住所を調査することができます。また、2026年4月施行の改正民事執行法により、財産開示・情報取得手続が使いやすくなり、市町村や年金事務所から勤務先を調査することも可能になりました。
Q.相手が再婚して子どもができた場合、養育費は減らされてしまいますか?
A.相手が再婚し、新しい配偶者やその子どもを扶養することになった場合、養育費の減額が認められる可能性があります。ただし、自動的に減額されるわけではなく、相手から減額請求の調停が申し立てられ、裁判所が判断することになります。勝手に支払いを減らされた場合は、未払いとして請求できます。
Q.調停を申し立てると、相手と顔を合わせることになりますか?
A.調停では、申立人と相手方が別々の待合室で待機し、交互に調停委員と話をするため、原則として顔を合わせることはありません。DVなどの事情がある場合は、裁判所に事前に伝えておくことで、到着時間や帰宅時間をずらすなどの配慮をしてもらえます。
Q.養育費を受け取ると、児童扶養手当は減額されますか?
A.養育費として受け取った金額の8割が、児童扶養手当の所得認定に算入されます。そのため、養育費の額によっては手当が減額される可能性があります。ただし、2024年11月から第3子以降の加算増額や所得限度額の引き上げが行われており、トータルでの収入は増えるケースが多いです。
Q.相手が「お金がない」と言って支払いを拒否した場合、どうすればいいですか?
A.相手が「お金がない」と主張しても、親の扶養義務は免除されません。調停や審判で、裁判所が相手の収入や資産の開示を命令することができ(違反は10万円以下の過料)、適正な養育費の額が決定されます。決定後も支払わない場合は、給与や預貯金の差押え(強制執行)を行うことができます。

ひとりで悩まず、専門家に相談を

養育費の請求・回収を得意とする法律事務所なら、あなたのケースの最短ルートを提案してくれます。 多くの事務所で無料相談を利用できます。

関連するよくある質問

よくある質問をすべて見る(421問)

関連する記事

この記事は役に立ちましたか?

こはる

この記事を読んで、まだ不安が残っていませんか?

AIこはるなら24時間いつでも、あなたの状況に合わせた具体的なアドバイスをお伝えできます。匿名・無料です。

例えばこんな相談ができます:

公正証書がないのですが、養育費を請求できますか?

この記事が役に立ったら、同じ悩みを持つ方にも

養育費のことは、なかなか人に相談しづらいもの。あなたの一言のシェアが、誰かの一歩につながるかもしれません。

※こちらでの解説は一般的な内容であり、個別のケースへの法的助言ではありません。具体的な判断に迷うときは、必ず専門家にご相談ください。