面会交流と養育費の関係|「会わせないなら払わない」は通る?

最終更新: 2026-07-29|養育費請求ナビ編集チーム|読了目安 約8
面会交流と養育費の関係|「会わせないなら払わない」は通る?のイメージ
「会わせてもらえないから養育費は払わない」「払わないなら会わせない」は法的に通るのでしょうか。面会交流と養育費の法的な関係、面会交流を拒否できる正当な理由、調停の手続き、2026年施行の共同親権との関係まで、よくある疑問を詳しく解説します。
こはる

「養育費を払ってくれないのに、子どもには会いたいなんて虫が良すぎる」「会わせないなら払わないと言われて困っている」——そんな理不尽な言葉に、怒りや不安を感じていませんか。私も同じように悩み、悔しい思いをしたので、そのお気持ちは痛いほど分かります。でも、法律のルールを知れば、相手の言葉に振り回されずに済みます。子どもを守るための正しい知識を、一緒に確認していきましょうね。

まず、これだけは知ってください

  • 面会交流と養育費は法的に「別の問題」です。「会わせないなら払わない」という相手の主張は法的には通りません
  • 「払わないなら会わせない」も原則として認められませんが、DVや虐待、連れ去りの危険などがある場合は面会を拒否できます
  • 2026年施行の改正民法で「共同親権」を選んだ場合でも、養育費や面会交流の取り決めは別途しっかりと行う必要があります

大原則:面会交流と養育費は「法的に別の問題」

相手から「子どもに会わせてもらえないなら、養育費は払わない」と言われて、不安になっている方も多いかもしれません。しかし、安心してください。法律上、面会交流と養育費はまったく別の問題として扱われます。

養育費は「子どもが生活し、成長するための権利」であり、親の義務です。一方、面会交流は「離れて暮らす親と子どもが交流する機会」です。これらは交換条件ではありません。つまり、「会わせないから払わなくていい」という理屈は、法的には一切通用しないのです。

たとえ面会交流が実現していなくても、相手には養育費を支払う法的な義務があります。相手の言葉に惑わされず、堂々と養育費を請求して大丈夫です。

「払わないなら会わせない」も原則NGです

相手が養育費を払わないからといって、「払わないなら会わせない」と拒否することも、原則として法的には認められません。面会交流は子どもの健全な成長のために行われるものとされているからです。ただし、実務上は「払わない相手に会わせるのは感情的に難しい」という現実もあり、慎重な対応が求められます。

こはる

「お金は払わないけど会わせろ」なんて、本当に身勝手ですよね。でも、法律はちゃんと子どもの権利(養育費)を守ってくれます。相手のペースに巻き込まれないようにしましょう。

面会交流を拒否できる「正当な理由」とは?

原則として面会交流は実施すべきとされていますが、どんな場合でも絶対に会わせなければならないわけではありません。子どもの心身に悪影響を及ぼす恐れがある場合は、家庭裁判所も面会交流を制限したり、禁止したりすることがあります。

具体的に面会交流を拒否できる正当な理由としては、「相手からのDV(ドメスティック・バイオレンス)や子どもへの虐待があった場合」「子どもを連れ去られる危険性が高い場合」「子ども自身が強く面会を拒絶している場合(ある程度の年齢に達している場合)」などが挙げられます。

もしこれらの不安がある場合は、無理に直接会わせる必要はありません。手紙や写真の送付など、間接的な交流にとどめる方法もありますし、第三者機関(面会交流支援団体)を利用して安全を確保する方法もあります。

面会交流の制限・禁止が認められやすいケース

  • 相手から同居親(あなた)へのDVがあった
  • 相手から子どもへの虐待(身体的・心理的)があった
  • 過去に子どもを無断で連れ去ろうとしたことがある
  • 相手がアルコール依存症や薬物依存症などで子の安全が確保できない
  • 子ども自身(概ね10歳以上)が明確に面会を拒絶している
DVや虐待の不安がある場合は、まず専門家に相談を
47都道府県の無料相談窓口や支援機関をご案内しています

面会交流調停の費用と流れ(養育費調停との同時進行も)

当事者同士の話し合いで面会交流のルールが決まらない場合や、直接話すのが怖い場合は、家庭裁判所に「面会交流調停」を申し立てることができます。調停では、男女1名ずつの調停委員が間に入り、子どもの利益を最優先に考えながら解決策を探ります。

調停の申立てにかかる費用は、子ども1人につき収入印紙1,200円と、連絡用の郵便切手(1,000円前後)です。弁護士に依頼せずに自分で申し立てることも十分に可能です。手続きの期間は、月に1回程度のペースで話し合いが進み、半年から1年程度かかるのが一般的です。

また、養育費の取り決めもまだの場合は、「養育費請求調停」と「面会交流調停」を同時に申し立てて、一緒に話し合いを進めることもできます。別々に申し立てるよりも手間が省け、全体的な解決に繋がりやすくなります。

項目面会交流調停の目安
申立て費用子ども1人につき収入印紙1,200円 + 郵便切手1,000円前後
申立先相手方の住所地を管轄する家庭裁判所
期間の目安半年〜1年程度(月1回程度の期日)
話し合いの方法調停委員を介して交互に話す(相手と直接顔を合わせない配慮が可能)
調停の流れを詳しく見る
調停の申立てから成立までの具体的な手順や、当日の服装・持ち物などを解説しています

2026年施行の「共同親権」と養育費・面会交流の関係

2026年4月1日に施行された改正民法により、離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」を選択できるようになりました。しかし、ここで注意が必要なのは、「共同親権を選べば、自動的に養育費が支払われ、面会交流がスムーズにいくわけではない」ということです。

共同親権であっても単独親権であっても、養育費の金額や支払い方法、面会交流の頻度やルールは、父母の協議(話し合い)で具体的に取り決める必要があります。取り決めがないまま離婚してしまうと、後からトラブルになるリスクが高いのはこれまでと同じです。

また、同改正では「法定養育費」制度も新設されました。これは、取り決めがなくても子ども1人あたり月額2万円(法務省令)を請求でき、先取特権(優先的に回収できる権利)が認められるというものです。しかし、適正な金額(算定表に基づく金額)を受け取るためには、やはりしっかりとした取り決めと債務名義(公正証書など)の作成が不可欠です。

共同親権と養育費・面会交流の関係図解:親権の形(単独・共同)に関わらず、養育費と面会交流の具体的な取り決め(公正証書など)が別途必要であることを示す図
親権の形が変わっても、養育費と面会交流のルール作りが重要なことに変わりはありません
こはる

「共同親権にすれば養育費を払ってくれるはず」と期待しすぎず、きちんと書面(公正証書)で約束を残すことが、あなたと子どもを守る一番の盾になりますよ。

トラブルを防ぐ面会交流の取り決めのコツ

面会交流を実施することになった場合、後々のトラブルを防ぐためには、ルールをできるだけ具体的に決めておくことが重要です。「月に1回程度、適宜話し合って決める」といった曖昧な約束では、毎回の日程調整がストレスになり、結局会わなくなってしまう(そして養育費も途絶える)ケースが少なくありません。

取り決めるべき項目としては、「頻度(月〇回など)」「1回あたりの時間(〇時から〇時まで)」「場所」「受け渡しの方法」「学校行事への参加の可否」「連絡方法(LINE、メールなど)」などが挙げられます。これらを公正証書や調停調書に明確に記載しておきましょう。

もし、「相手と直接連絡を取りたくない」「子どもを直接引き渡すのが不安」という場合は、第三者機関(面会交流支援団体)を利用するのも一つの方法です。支援団体が日程調整や当日の付き添い、受け渡しを代行してくれます。費用は団体によって異なりますが、1回の支援につき数千円〜1万円程度かかることが多いです。

面会交流の取り決めで決めておくべき項目

  • 頻度と時間(例:毎月第2土曜日の10時から16時まで)
  • 面会の場所(例:〇〇駅周辺の公園や商業施設)
  • 受け渡しの方法と場所(例:〇〇駅の改札前で引き渡す)
  • 連絡方法(例:日程調整は原則としてメールで行う)
  • 変更時のルール(例:病気などでキャンセルする場合は前日までに連絡し、代替日を設ける)
公正証書の作り方完全ガイド
養育費や面会交流のルールを法的に有効な形で残すための手順を解説しています

「会わせたくない」気持ちへの寄り添いと相談先

頭では「面会交流は子どもの権利」と分かっていても、自分を傷つけた相手に子どもを会わせることに、強い抵抗感や恐怖を感じるのは当然のことです。「会わせたくない」というあなたの気持ちは、決して間違っていません。

大切なのは、その気持ちを一人で抱え込まないことです。面会交流は「子どもの利益(子どもの幸せ)」を最優先に考えるべきものですが、同居親であるあなたが精神的に追い詰められてしまっては、子どもにとっても良くありません。

どうしても不安な場合は、無理に当事者だけで解決しようとせず、弁護士や支援団体、自治体の相談窓口を頼ってください。第三者が間に入ることで、あなたの安全と心の平穏を守りながら、子どもにとって最善の形を見つけるサポートをしてくれます。

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よくある質問

Q.養育費を一度も払ってもらっていませんが、面会交流には応じなければなりませんか?
A.法的には、養育費の未払いと面会交流は別の問題とされているため、養育費が支払われていないことだけを理由に面会交流を完全に拒否することは難しいのが現実です。しかし、実務上は「養育費を払わない相手に会わせるのは困難」という同居親の心情も一定程度考慮されます。調停などを通じて、「養育費の支払い」と「面会交流の実施」をセットで話し合うのが効果的です。
Q.子どもが「会いたくない」と言っている場合でも、会わせる義務はありますか?
A.子ども自身の意思は非常に重要視されます。特に子どもが概ね10歳以上(小学校高学年〜中学生以上)になり、自分の意思をしっかり示せる年齢であれば、子どもが明確に拒絶しているのに無理に会わせる必要はありません。家庭裁判所も、子どもの意思を尊重して面会交流を制限する判断を下す傾向にあります。
Q.面会交流の日に、相手が子どもを連れ去らないか心配です。
A.連れ去りの危険性が高い(過去に無断で連れ去ろうとしたことがある、相手が強く親権を主張して譲らないなど)場合は、面会交流を拒否する正当な理由になります。不安がある場合は、第三者機関(面会交流支援団体)を利用して付き添いをお願いするか、家庭裁判所に調停を申し立てて、安全な面会のルール(宿泊はさせない、第三者を同席させるなど)を厳格に定めるべきです。
Q.面会交流のルールを破られた場合、罰則はありますか?
A.調停や審判で決まった面会交流のルールを正当な理由なく破った場合、家庭裁判所から「履行勧告」を出してもらうことができます(無料)。それでも応じない場合は、「間接強制」といって、面会させないことに対して1回あたり数万円の制裁金を科す手続きをとることも可能です。ただし、間接強制が認められるには、日時の指定などルールが非常に具体的に定められている必要があります。
Q.相手が再婚した場合、面会交流や養育費はどうなりますか?
A.相手が再婚しただけでは、養育費の支払い義務や面会交流の権利は消滅しません。ただし、相手に新しい子どもが生まれたり、再婚相手の子どもと養子縁組をしたりした場合は、扶養すべき家族が増えるため、養育費の「減額請求」が認められる可能性があります。面会交流については、再婚後も子どもの利益になる限り継続するのが原則です。

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※こちらでの解説は一般的な内容であり、個別のケースへの法的助言ではありません。具体的な判断に迷うときは、必ず専門家にご相談ください。