状況別ガイド

養育費の支払いが途中で止まった・減額されたときの対処法

最終更新: 2026-07-30|読了目安 約8
支払いが途中で止まったのイメージ

「最初の1年はきちんと払われていたのに、だんだん遅れがちになり、ついに止まった」——養育費未払いの最も典型的なパターンです。母子世帯で養育費を継続的に受け取れているのは約28.1%という調査もあります。早く動くほど、回収できる可能性は高くなります。

こはる

「相手にも事情があるのかも」「催促したら怒らせるかも」と、連絡をためらっていませんか。私も支払いが遅れ始めたとき、波風を立てたくなくて様子を見てしまい、結局そのまま止まってしまった経験があります。でも、養育費は子どものための大切なお金です。放置すると時効で消えてしまうこともあるので、一緒に一つずつ対処法を確認していきましょうね。

🌱

やり方は一つずつ、この記事で確認できます。焦らなくて大丈夫ですよ。

まず、これだけは知ってください

  • 支払いが止まったまま5年経過すると、古い分から時効で消えていきます。待つことは最大のリスクです
  • 調停調書や公正証書(強制執行認諾文言付き)があれば、裁判なしで給与や口座の差押えが可能です
  • 弁護士名義の内容証明を送るだけで、心理的プレッシャーから支払いが再開するケースも多くあります

解決までの目安

履行勧告なら1ヶ月程度/強制執行なら1〜3ヶ月

自分でやる場合の費用

0円〜数万円(弁護士に依頼する場合は別途)

自分でできる度

★★★☆☆(取り決めの形によって難易度が変わります)

※期間・費用は一般的な目安です。相手の対応や裁判所の混雑状況により変わります

ステップ1:未払い分を正確に把握し、証拠を整理する

まずは、「いつから」「いくら」支払いが止まっているのかを正確に把握します。一部だけ入金があった月や、勝手に減額された月も、本来の金額との差額を計算して記録しておきましょう。この記録が、今後の請求の土台になります。

通帳の記帳履歴や、相手とのLINE・メールのやり取りなど、支払いが止まっていることや催促したことが分かる記録は、すべて証拠になります。スクリーンショットを撮ったり、印刷したりして手元に残しておいてください。

養育費の支払いが止まったときの対処フロー図解
まず手元の書類を確認し、使える手続きを選びましょう

確認・準備しておくべきこと

  • 未払いになっている期間と総額の計算
  • 一部入金や減額された月の差額の計算
  • 養育費が振り込まれていた口座の通帳(記帳しておく)
  • 相手とのやり取りの記録(LINE、メールなど)
  • 養育費の取り決めをした書面(公正証書、調停調書など)
こはる

「毎月いくら足りないか」を計算するのは少し気が重い作業ですが、ここを正確にしておかないと相手に丸め込まれてしまうこともあります。ツールを使えば簡単に計算できるので、まずは数字をはっきりさせましょう。

一部入金や遅延損害金も含めて自動計算できます

ステップ2:まず自分の言葉で連絡してみる

証拠を整理したら、次はいきなり内容証明ではなく、まず自分の言葉で相手に連絡してみましょう。LINEやメールなど、普段のやり取りで使っている手段で構いません。『○月分から振込が確認できていなくて、連絡しました。○○(子どもの名前)の学費に充てたいので、状況を教えてもらえると助かります』——このように、責めずに事実を伝え、子どものためのお金であることを軸にした文面が効果的です。

実は、未払いの理由の多くは『悪意』ではなく、うっかり・後回し・生活の変化です。穏やかな連絡だけで支払いが再開するケースは少なくありません。1〜2週間待っても反応がなければ、もう一度だけ連絡し、それでも動かなければ次のステップに進みましょう。

こはる

私も最初は『催促したら怒らせるかも』と怖かったんです。でも、責めない文面で連絡したら、翌日『ごめん、忘れてた』と返信が来ました。まずは軽く、でも記録は残して。

NG例とOK例、電話の台本、返信パターン別の対応まで解説しています

ステップ3:取り決めの形を確認し、次の行動を決める

養育費の支払いを再開させるための手続きは、「どのような形で取り決めをしたか」によって大きく変わります。お手元にある書面を確認してください。

調停調書や審判書がある場合は、家庭裁判所の「履行勧告」や「履行命令」という制度が無料で使えます。強制執行認諾文言付きの公正証書がある場合は、すぐに強制執行(差押え)の手続きに進めます。

一方、口約束や当事者同士の合意書(私文書)しかない場合は、そのままでは差押えができません。まずは家庭裁判所に調停を申し立てて、公的な取り決め(債務名義)を作り直す必要があります。

養育費の支払いが止まった場合の対処ルート図解:取り決めの形(調停調書/公正証書/私文書・口約束)によって、履行勧告や強制執行、調停申立てへと進む流れ
取り決めの形によって、次に取るべき行動が変わります。まずは手元の書面を確認しましょう
取り決めの形と使える手続き
取り決めの形使える手続き強制執行(差押え)
調停調書・審判書履行勧告・履行命令すぐに可能
公正証書(認諾文言あり)内容証明での催告などすぐに可能
合意書・念書(私文書)調停の申立て不可(調停が必要)
口約束調停の申立て不可(調停が必要)

ステップ4:家庭裁判所の「履行勧告」を利用する(調停調書がある場合)

調停調書や審判書がある場合、最も手軽なのが家庭裁判所の「履行勧告」です。これは、裁判所から相手に対して「約束通りに養育費を払いなさい」と電話や書面で注意してくれる制度です。

申立ては無料で、手続きも簡単です。裁判所からの連絡ということで心理的なプレッシャーがかかり、これだけで支払いが再開するケースも少なくありません。ただし、履行勧告には強制力がないため、相手が無視し続ける場合は次のステップに進む必要があります。

公正証書では履行勧告は使えません

履行勧告は家庭裁判所で行った取り決め(調停・審判)に対してのみ使える制度です。公証役場で作った公正証書では利用できないため、内容証明での催告や強制執行を検討することになります。

申立ての方法や必要な書類について解説しています

ステップ5:弁護士名義で催告する(時効を止める効果も)

履行勧告に応じない場合や、公正証書で取り決めている場合は、弁護士名義で内容証明郵便を送るのが効果的です。本人からの連絡は無視する相手でも、「弁護士が出てきた」「次は裁判や差押えになるかもしれない」という危機感から、慌てて支払いを再開することがよくあります。

また、内容証明を送ることには「時効の完成猶予」という法的な効果もあります。養育費の時効は原則5年(確定判決や調停調書がある場合は10年)ですが、内容証明で催告することで、時効の完成を6ヶ月間ストップさせることができます。この間に強制執行などの手続きを進めれば、過去の未払い分が消滅するのを防げます。

こはる

「時効」と聞くと焦ってしまいますよね。でも、内容証明を送るだけで一旦ストップできるので安心してください。弁護士さんに依頼すれば、相手とのやり取りもすべて任せられるので精神的にもすごく楽になりますよ。

弁護士に依頼せず自分で送る場合の書き方も紹介しています

ステップ6:再開しなければ強制執行(差押え)へ

催告しても支払われない場合は、いよいよ強制執行(差押え)の手続きに進みます。調停調書や強制執行認諾文言付きの公正証書(これらを「債務名義」と呼びます)があれば、裁判所の許可を得て相手の財産を差し押さえることができます。

養育費の未払いで最も確実なのは「給与の差押え」です。給与を差し押さえると、未払い分だけでなく、将来の養育費も毎月相手の会社から直接あなたの口座に振り込まれるようになります。「また来月も振り込まれないかも」という毎月の不安から解放されるのが最大のメリットです。

相手の勤務先や口座が分からない場合は、2026年4月施行の改正民事執行法による「ワンストップ手続き」が便利です。財産開示や情報取得から差押えまで、1回の申立てでスムーズに進められるようになりました。

強制執行(給与差押え)のメリット

  • 未払い分だけでなく、将来分も毎月自動的に回収できる
  • 相手と直接やり取りする必要がなくなる
  • 相手の会社に知られるため、強いプレッシャーになる
  • 手取り額の2分の1まで差し押さえ可能(通常の債権より手厚い保護)

相手が退職すると給与差押えは空振りに

給与を差し押さえても、相手が会社を辞めてしまうとそこからの回収はできなくなります。その場合は、新しい勤務先を調べるか、預貯金など別の財産を差し押さえる必要があります。

必要な費用や期間、ワンストップ手続きについても解説しています

ステップ7:専門家の力を借りて確実に回収する

強制執行の手続きは自分で行うことも可能ですが、書類の準備や裁判所とのやり取りなど、専門的な知識が必要な場面も多くあります。「確実に回収したい」「相手と関わりたくない」という場合は、弁護士に依頼することを強くおすすめします。

養育費の回収については、着手金0円・完全成功報酬制(回収できたお金の中から費用を払う仕組み)を採用している法律事務所が増えています。手元にまとまったお金がなくても依頼できるため、費用倒れのリスクを抑えられます。

また、収入が一定基準以下であれば、法テラスの民事法律扶助制度を利用して、無料相談や弁護士費用の立替えを受けることも可能です。まずは無料相談を利用して、あなたのケースでどれくらい回収できそうか、見通しを聞いてみましょう。

47都道府県の法テラス・弁護士会・自治体の支援制度をまとめています

よくある質問

Q.勝手に「今月から減額する」と言われました。応じないといけませんか?
A.一方的な減額に応じる必要はありません。養育費の金額を変更するには、双方の合意か、家庭裁判所での調停・審判が必要です。相手が勝手に減らして振り込んできた場合、本来の金額との差額は「未払い」として請求できます。減額の理由(相手の収入減など)が正当かどうかは、調停で話し合うべき問題です。
Q.相手が転職して勤務先が分かりません。給与の差押えはできますか?
A.可能です。以前は勤務先が分からないと給与の差押えが困難でしたが、現在は「第三者からの情報取得手続」を利用して、市町村や年金事務所から相手の勤務先情報を取得できます。2026年4月からはワンストップ手続きにより、情報取得から差押えまでよりスムーズに進められるようになりました。
Q.「自己破産するから払えない」と言われました。本当ですか?
A.自己破産しても養育費の支払い義務は免除されません(非免責債権)。したがって、「自己破産するから払わない」という主張は法的に通りません。ただし、相手の財産が本当にない場合は現実的な回収が難しくなるため、早めに弁護士に相談して対策を立てることをおすすめします。
Q.未払い分を請求したら「子どもに会わせろ」と条件を出されました。
A.養育費の支払いと面会交流は、法的には別の問題です。「会わせないなら払わない」という条件は認められません。ただし、面会交流も子どもの権利として重要視されているため、拒否し続けると調停などで不利になる可能性があります。安全上の問題(DVなど)がない限り、面会交流のルールも併せて話し合うのが実務的です。
Q.時効が迫っています。今すぐできることはありますか?
A.まずは内容証明郵便で支払いを催告してください。これにより時効の完成を6ヶ月間猶予させることができます。その6ヶ月の間に、調停の申立てや強制執行の手続きを行うことで、時効をリセット(更新)できます。時間が限られている場合は、すぐに弁護士に相談して手続きを任せるのが最も確実です。

このケースのポイント

支払いが止まったら、放置せずに「証拠の整理」と「取り決めの確認」から始めましょう。時効で消滅する前に、内容証明や強制執行で早めに行動を起こすことが回収の鍵です。

このケースにおすすめの事務所

未払い回収の実績が豊富で、完全成功報酬制に対応している事務所がおすすめです。

ワンピース法律事務所のイメージ
こはるイチオシ

ワンピース法律事務所

相談実績8,000件超・養育費回収特化の完全成功報酬制

こはる評価
4.8
口コミ募集中
相談料
無料(何度でも)
着手金
0円(全プラン・完全成功報酬制)
成功報酬
回収額の25〜35%(取り決め状況による3プラン)
対応地域
全国対応
  • 全プラン着手金0円の完全成功報酬制 — 回収できなければ費用は1円もかからない
  • 公的書面があれば成功報酬25%と完全成功報酬型では低水準
  • 無料相談実績 累計8,000件以上
養育費特化完全成功報酬着手金無料全国対応公正証書なしOKLINE対応

次はこちらへ — あわせて読みたい

このページを読み終えたあなたの「次の一歩」に合わせて選びました。

他の状況も見る

関連するよくある質問

よくある質問をすべて見る(421問)

他の状況も見る

この記事は役に立ちましたか?

こはる

この記事を読んで、まだ不安が残っていませんか?

AIこはるなら24時間いつでも、あなたの状況に合わせた具体的なアドバイスをお伝えできます。匿名・無料です。

例えばこんな相談ができます:

突然養育費の支払いが止まりました

この記事が役に立ったら、同じ悩みを持つ方にも

養育費のことは、なかなか人に相談しづらいもの。あなたの一言のシェアが、誰かの一歩につながるかもしれません。

※こちらでの解説は一般的な内容であり、個別のケースへの法的助言ではありません。具体的な判断に迷うときは、必ず専門家にご相談ください。