相手と連絡が取れない・行方不明でも養育費は請求できる

「引っ越し先も知らされず、電話もブロックされた」——連絡が取れないと諦めてしまう方が多いのですが、法的には打つ手がいくつもあります。むしろ「逃げられたら終わり」にしないための制度が整ってきています。
「連絡先も分からないのに、どうやって請求すればいいの…」と途方に暮れていませんか。私も、相手が突然音信不通になったときは、目の前が真っ暗になりました。でも、日本の法律には「逃げ得」を許さないための仕組みがちゃんと用意されています。あなた一人で抱え込まず、一緒に解決の糸口を探していきましょうね。
やり方は一つずつ、この記事で確認できます。焦らなくて大丈夫ですよ。
まず、これだけは知ってください
- 連絡先や住所が分からなくても、弁護士の「職務上請求」で住民票などから現住所を突き止められる可能性が高いです
- 住所が分かれば通常の請求ルートへ。どうしても所在不明な場合でも「公示送達」という方法で調停や審判を進められます
- 2026年4月施行の改正民事執行法により、財産開示から差押えまでが「ワンストップ」でスムーズにできるようになりました
解決までの目安
住所調査1ヶ月/調停・審判3〜8ヶ月
自分でやる場合の費用
数万円〜(弁護士費用は別途)
自分でできる度
★★★★★(個人での対応は難しいため専門家の力を借ります)
※期間・費用は一般的な目安です。相手の状況や調査の難易度により変わります
ステップ1:まずは「連絡を試みた記録」を残す
相手と連絡が取れない場合、まずは「連絡を取ろうとしたけれどダメだった」という客観的な証拠を残すことが重要です。これは、後で裁判所の手続き(公示送達など)を利用する際に、「本当に相手が行方不明である」ことを証明するための大切な資料になります。
LINEの未読・既読スルーの画面スクリーンショット、電話の発信履歴、メールの送信履歴などを保存しておきましょう。また、相手の実家や共通の友人に連絡を取ってみた記録も有効です。

残しておくべき記録
- LINEの送信履歴(未読・既読が分かる画面)
- 電話の発信履歴(着信拒否されている場合はその画面)
- メールの送信履歴
- SNS(XやInstagramなど)でのメッセージ送信履歴
- 相手の実家や親族、共通の知人に連絡を取った記録
「無視されているのに何度も連絡するのは辛い」という気持ち、よく分かります。でも、この記録が後であなたを助けてくれる強力な武器になります。無理のない範囲で残しておきましょう。
ステップ2:弁護士に「住所調査(職務上請求)」を依頼する
相手の現住所が分からない場合、個人で探し出すのは非常に困難です。しかし、弁護士には「職務上請求」という強力な権限があります。これは、受任した事件の処理に必要な範囲で、相手の住民票や戸籍の附票を役所から取得できる制度です。
相手が住民票を移していれば、この方法で現住所を突き止められる可能性が非常に高いです。もし住民票を移していなくても、戸籍の附票から過去の住所履歴をたどり、手がかりを見つけることができます。
行方不明ケースは個人での対応がほぼ不可能なため、この段階で弁護士に依頼するのが実務上最も確実なルートです。費用面の不安があるかもしれませんが、着手金0円・完全成功報酬制の事務所や、法テラスの民事法律扶助(無料相談・費用立替)を利用できる場合があります。
| 個人での調査 | 弁護士による調査(職務上請求) | |
|---|---|---|
| 住民票の取得 | 正当な理由と厳格な証明が必要(困難) | 職務上請求でスムーズに取得可能 |
| 戸籍の附票の取得 | 同上 | 同上 |
| その他の調査 | SNSや知人づてなど限られる | 携帯電話会社や銀行への照会(弁護士会照会)も可能 |
| 費用 | 実費のみ(数百円〜) | 弁護士費用(着手金0円の事務所もあり) |
探偵への依頼は慎重に
「行方不明なら探偵に」と考える方もいますが、探偵の調査費用は数十万円〜百万円以上と高額になることが多いです。まずは弁護士の職務上請求(費用も比較的安価)で探せるか相談することをおすすめします。
ステップ3:住所が判明したら、通常の請求ルートへ
弁護士の調査によって相手の現住所が判明したら、そこからは通常の養育費請求と同じルートに乗せることができます。まずは内容証明郵便で請求の意思を伝え、話し合い(協議)を試みます。
話し合いに応じない、あるいは合意できない場合は、家庭裁判所に養育費請求調停を申し立てます。相手の住所が分かっていれば、裁判所からの呼び出し状を確実に届けることができます。

ステップ4:どうしても所在不明なら「公示送達」を利用する
住民票を移しておらず、弁護士が調査してもどうしても現住所が分からない場合でも、諦める必要はありません。裁判所には「公示送達(こうじそうたつ)」という制度があります。
これは、裁判所の掲示板に「あなた宛ての書類が届いていますよ」というお知らせを一定期間(通常は2週間)掲示することで、法的に「相手に書類が届いた(送達された)」とみなす制度です。これにより、相手が実際に書類を見ていなくても、調停や審判の手続きを進めることができます。
ただし、公示送達が認められるためには、「相手の所在が本当に分からない」ことを裁判所に証明する必要があります。ここで、ステップ1で残しておいた「連絡を試みた記録」や、弁護士による調査報告書が重要な証拠となります。
公示送達は最終手段です
公示送達は、あらゆる調査を尽くしても所在が分からない場合にのみ認められる例外的な手続きです。個人で「探したけれど見つからない」と主張しても認められにくいため、弁護士のサポートが不可欠です。
「相手が知らない間に手続きが進むなんて大丈夫?」と不安になるかもしれませんが、これは逃げ隠れする相手からあなたの権利を守るための正当なルールです。安心して専門家に任せてくださいね。
ステップ5:債務名義があれば、財産調査から強制執行(差押え)へ
すでに公正証書や調停調書などの「債務名義」を持っている場合、相手の所在が不明でも、相手の財産(預貯金や給与)を差し押さえることで養育費を回収できる可能性があります。
相手の勤務先や口座情報が分からない場合でも、裁判所の「第三者からの情報取得手続」を利用すれば、市町村から勤務先の情報を、銀行の本店から口座情報を取得できます。さらに、2026年4月施行の改正民事執行法により、財産開示・情報取得から差押えまでが1回の申立てで進む「ワンストップ手続き」が導入され、より迅速に回収できるようになりました。
| 調べたい情報 | 照会先 | 必要な条件 |
|---|---|---|
| 預貯金口座 | 銀行などの金融機関 | 債務名義(公正証書・調停調書など)があること |
| 勤務先(給与) | 市町村(住民税の納付記録など) | 債務名義があり、かつ過去に強制執行が空振りした等の要件を満たすこと |
| 不動産 | 法務局 | 同上 |
よくある質問
Q.相手の住所も連絡先も全く分かりません。それでも弁護士に依頼できますか?
Q.相手が住民票を移さずに夜逃げ同然でいなくなりました。見つかりますか?
Q.弁護士費用を払う余裕がありません。どうすればいいですか?
Q.相手が海外に逃げてしまった場合でも請求できますか?
Q.離婚時に養育費の取り決めをしていません。行方不明でも2026年からの法定養育費はもらえますか?
このケースのポイント
行方不明ケースは個人での対応がほぼ不可能な一方、弁護士なら職務上請求などの強力な調査手段を持っています。「探せないから無理」と自己判断せず、無料相談で可能性を確認してください。
このケースにおすすめの事務所
所在調査や公示送達の手続き、財産開示に精通した事務所がおすすめです。
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※こちらでの解説は一般的な内容であり、個別のケースへの法的助言ではありません。具体的な判断に迷うときは、必ず専門家にご相談ください。
