相手が行方不明でも養育費は請求できる|住所の調べ方と手続き

最終更新: 2026-07-29|読了目安 約8
相手が行方不明でも養育費は請求できる|住所の調べ方と手続きのイメージ
「どこにいるか分からない」は諦める理由になりません。住所の調べ方から回収までの道筋を解説します。
こはる

「どこにいるかも分からないのに、養育費なんて請求できるわけない…」と、諦めかけていませんか。連絡先も住所も分からない相手を探すのは、本当に心細くて途方に暮れてしまいますよね。でも、大丈夫です。日本の法律には、行方不明の相手を探し出し、養育費を請求するための仕組みがちゃんと用意されています。諦める前に、まずはどんな方法があるのか、一緒に確認していきましょうね。

🌱

やり方は一つずつ、この記事で確認できます。焦らなくて大丈夫ですよ。

まず、これだけは知ってください

  • 相手の住所が分からなくても、「戸籍の附票」や「弁護士会照会」を使えば現住所や勤務先を特定できる可能性が高いです
  • どうしても見つからない場合でも、「公示送達」という手続きを使えば、相手不在のまま裁判所で養育費の金額を決定できます
  • 2026年4月施行の「ワンストップ手続き」により、相手の財産調査から差押えまでが1回の申立てでスムーズに進められるようになりました

行方不明=請求できない、ではありません

「元配偶者と連絡が取れない」「引っ越し先も勤務先も分からない」——このような状態でも、養育費の請求を諦める必要はありません。日本の法制度には、行方不明の相手の住所を調べる手段、相手が見つからないまま裁判所の判断をもらう手段、そして財産や勤務先が分からなくても裁判所を通じて調べる手段が、それぞれ用意されています。

むしろ問題なのは、「見つからないから無理」と思い込んで時間が経過してしまうことです。養育費の未払い分には時効があり、協議や公正証書で決めた場合は各支払期日から5年、調停や審判で決めた場合は10年で消滅してしまいます。放置するほど回収できる金額は減っていくため、早めに行動を起こすことが重要です。

この記事では、行方不明の相手に養育費を請求するための具体的な手順を、段階を追って解説します。一つひとつのステップを着実に進めれば、回収への道は必ず開けます。

時効が成立すると過去の未払い分は請求できなくなります

「いつか連絡が来るかも」と待っている間にも、時効は刻一刻と進んでいます。時効が成立した分の養育費は、原則として二度と請求できなくなってしまうため、早めに手続きを開始することが大切です。

こはる

「もう無理かも」と思う気持ち、よく分かります。でも、行動を起こせば状況は必ず変わります。まずは最初のステップから見ていきましょう。

ステップ1:戸籍の附票で住民票上の住所を調べる

最初に試すべきは、「戸籍の附票(ふひょう)」による住所調査です。戸籍の附票とは、その戸籍が作られてから現在までの住民票上の住所の履歴が記録された書類で、本籍地の市区町村が戸籍と一緒に保管しています。

手順はこうです。まず自分の戸籍謄本を取得すると、婚姻時の戸籍(「従前の戸籍」)の本籍地が分かります。そこから元配偶者の現在の戸籍をたどり、その本籍地の市区町村に「戸籍の附票」を請求すれば、元配偶者の住民票上の現住所が判明します。元配偶者や子の親という立場であれば、養育費請求という正当な理由での取得が認められます。郵送でも請求でき、費用は1通300円程度です。

住所が判明したら、まずは手紙で連絡を試み、応答がなければその住所地を管轄する家庭裁判所に調停・審判を申し立てます。裁判所からの呼び出しには反応する人も少なくありません。呼び出しを無視し続ければ調停は審判に移行し、出席した側の言い分と資料に基づいて裁判所が金額を決定するため、無視は相手にとって不利に働くだけです。

戸籍の附票を使った住所調査の流れ:自分の戸籍から元配偶者の本籍地をたどり、現住所を特定する図解
役所の手続きだけで、相手の現在の住民票上の住所を調べることができます

戸籍の附票を取得する手順

  • 自分の戸籍謄本を取得し、婚姻時の本籍地(従前の戸籍)を確認する
  • 婚姻時の本籍地の役所で、元配偶者の現在の本籍地を確認する
  • 元配偶者の現在の本籍地の役所に「戸籍の附票」を請求する(郵送可)

ステップ2:電話番号や勤務先から調べる(弁護士会照会)

住民票を移さずに転居しているケースでは、附票でも現住所をつかめないことがあります。その場合でも、携帯電話の番号や勤務先などの手がかりが残っていれば、「弁護士会照会(23条照会)」という制度で調査できる可能性があります。

弁護士会照会とは、弁護士が受任した事件について、弁護士会を通じて携帯電話会社や勤務先などに情報の照会を行う制度です(弁護士法23条の2)。たとえば携帯電話番号から契約者の登録住所を照会したり、判明している勤務先に在籍確認をしたりすることができます。

この制度は弁護士に依頼した場合にのみ利用できるため、手がかりが電話番号しかない場合は、弁護士への相談が実質的な近道になります。当サイトで紹介している養育費特化型の事務所は、こうした所在調査を含めて着手金0円で受任するところもあります。「探す費用すら出せない」という状況でも、相談してみる価値は十分にあります。

調査方法必要な手がかり分かること費用目安
戸籍の附票元配偶者の本籍地住民票上の現住所1通300円程度+郵送費
弁護士会照会携帯電話番号、車のナンバーなど契約者の登録住所など弁護士費用(着手金0円の事務所もあり)
お住まいの地域の無料相談窓口を探す
所在調査を含めて相談できる弁護士を探してみましょう

ステップ3:それでも見つからないなら「公示送達」で審判へ

調査を尽くしても居場所が分からない場合でも、手続きを進める方法があります。それが「公示送達(こうじそうたつ)」を使った審判です。

裁判所の手続きでは、申立書などの書類を相手に届ける「送達」が必要ですが、相手の住所・居所が分からない場合には、裁判所の掲示場(ウェブサイト掲示)に一定期間掲示することで送達したものとみなす「公示送達」が認められています(民事訴訟法110条)。掲示から2週間の経過で送達の効力が生じ、相手が現れないまま審判が進み、裁判所が養育費の金額を決定します。

行方不明のケースでは話し合いの調停は機能しないため、最初から審判を申し立てるのが通常です。公示送達を認めてもらうには、住所地の現地調査(実際に住んでいないことの確認)などの資料が求められるため、この段階でも弁護士のサポートがあるとスムーズです。確定した審判書は強制執行のできる「債務名義」になります。

公示送達には「調査を尽くした」証拠が必要です

単に「連絡が取れない」というだけでは公示送達は認められません。戸籍の附票の取得や、現地に赴いて表札や郵便受けを確認した報告書など、客観的な証拠を裁判所に提出する必要があります。

こはる

相手がいなくても裁判所の決定をもらえるなんて、心強い制度ですよね。これが回収への大きな一歩になります。

行方不明のケースの回収可能性を1分で判定する
相手の状況・証拠・時効から5段階でスコア化

ステップ4:財産や勤務先が分からなくても裁判所が調べてくれる

「審判で金額が決まっても、相手の財産が分からなければ回収できないのでは?」——ここにも制度的な答えがあります。債務名義(調停調書・審判書・公正証書など)を持っていれば、裁判所を通じて相手の財産を調査できるのです。

「財産開示手続」は、相手を裁判所に呼び出して自分の財産を陳述させる手続きです。虚偽の陳述や不出頭には6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金という刑事罰があり、実効性が大きく強化されています。さらに「第三者からの情報取得手続」を使えば、裁判所が市区町村・年金機構に照会して相手の勤務先を、金融機関に照会して預貯金口座を調べてくれます。

2026年4月施行の改正民事執行法では、財産開示の申立てと給与差押えの申立てを一体化した「ワンストップ手続き」も導入され、勤務先が判明したらそのまま給与差押えに進める仕組みが整いました。行方不明・財産不明のケースの回収ハードルは、制度面では年々下がっています。

財産開示・情報取得手続を詳しく見る
相手の財産を調査するための強力な制度について解説しています

まとめ:調査から回収まで、一人で抱えなくていい

行方不明の相手への養育費請求は、「住所を調べる(附票・弁護士会照会)」「見つからなければ公示送達で審判」「債務名義を取って財産開示・情報取得」「差押えで回収」という道筋が制度として整っています。手順は多いものの、一つひとつは着実に進められるものです。

とはいえ、附票の請求から公示送達の資料集め、財産開示の申立てまでを仕事や育児と並行して一人でやり切るのは、現実には大きな負担です。養育費に特化した法律事務所であれば、所在調査から回収までを一括して任せられ、着手金0円・完全成功報酬制なら手元資金ゼロでも依頼できます。

「もう見つからないから無理」と結論を出す前に、まずは無料相談で回収の見込みを確認してみてください。あなたの行動が、お子さんの未来を守る一歩になります。

こはる

一人で全部やろうとしなくて大丈夫です。専門家の力を借りることも、立派な解決策の一つですよ。

養育費回収に強い法律事務所を比較する
着手金0円や完全成功報酬制の事務所も多数掲載しています

よくある質問

Q.相手のLINEしか知りませんが、住所を調べることはできますか?
A.LINEのアカウント情報だけから個人の住所を特定するのは非常に困難です。ただし、過去のやり取りの中に電話番号や勤務先、実家の住所などの手がかりがあれば、そこから弁護士会照会などを通じて現住所を調査できる可能性があります。まずは手元にある情報をすべて整理してみましょう。
Q.相手が海外に逃げてしまった場合でも請求できますか?
A.相手が海外に居住している場合でも、あなたや子どもの住所が日本にあれば、日本の裁判所に調停や審判を申し立てることは可能です。ただし、海外への書類の送達や、海外にある財産の差押えは非常に複雑で時間もかかるため、国内に残された給与や預貯金を押さえるのが現実的です。詳しくは「相手が海外赴任・海外在住のときの養育費」→記事を読むで解説しています。
Q.公示送達で審判が出た後、相手が「知らなかった」と文句を言ってきませんか?
A.公示送達は法律で定められた正式な手続きであり、掲示から2週間が経過すれば法的に「送達された(相手に届いた)」とみなされます。そのため、後から相手が「知らなかった」と主張しても、確定した審判の効力が覆ることは原則としてありません。堂々と強制執行の手続きに進むことができます。
Q.相手の実家の親に養育費を請求することはできますか?
A.原則として、養育費の支払い義務があるのは親(元配偶者)本人のみであり、祖父母に請求することはできません。ただし、元配偶者が死亡したり、重い病気で全く収入がなくなったりしたような極めて例外的なケースでは、祖父母への請求が認められる余地もあります。通常は、元配偶者本人の財産を探し出すことに注力すべきです。
Q.探偵に人探しを依頼した方が早いですか?
A.探偵に依頼すれば早く見つかる可能性はありますが、調査費用が数十万円〜百万円以上と高額になることが多く、養育費の回収額に見合わないリスク(費用倒れ)があります。まずは費用が安く済む「戸籍の附票」や、着手金0円で依頼できる弁護士の「弁護士会照会」から試すのが、経済的で確実な順番です。

ひとりで悩まず、専門家に相談を

養育費の請求・回収を得意とする法律事務所なら、あなたのケースの最短ルートを提案してくれます。 多くの事務所で無料相談を利用できます。

関連するよくある質問

よくある質問をすべて見る(421問)

関連する記事

この記事は役に立ちましたか?

こはる

この記事を読んで、まだ不安が残っていませんか?

AIこはるなら24時間いつでも、あなたの状況に合わせた具体的なアドバイスをお伝えできます。匿名・無料です。

例えばこんな相談ができます:

養育費のことを相談したいのですが、いいですか?

この記事が役に立ったら、同じ悩みを持つ方にも

養育費のことは、なかなか人に相談しづらいもの。あなたの一言のシェアが、誰かの一歩につながるかもしれません。

※こちらでの解説は一般的な内容であり、個別のケースへの法的助言ではありません。具体的な判断に迷うときは、必ず専門家にご相談ください。