相手が行方不明でも養育費は請求できる|住所の調べ方と手続き

行方不明=請求できない、ではない
「元配偶者と連絡が取れない」「引っ越し先も勤務先も分からない」——このような状態でも、養育費の請求を諦める必要はありません。日本の法制度には、行方不明の相手の住所を調べる手段、相手が見つからないまま裁判所の判断をもらう手段、そして財産や勤務先が分からなくても裁判所を通じて調べる手段が、それぞれ用意されています。
むしろ問題なのは、「見つからないから無理」と思い込んで時間が経過してしまうことです。養育費の未払い分には時効(協議・公正証書なら5年、調停・審判なら10年)があるため、放置するほど回収できる金額は減っていきます。この記事では、行方不明の相手に養育費を請求するための具体的な手順を、段階を追って解説します。
ステップ1:戸籍の附票で住民票上の住所を調べる
最初に試すべきは、「戸籍の附票(ふひょう)」による住所調査です。戸籍の附票とは、その戸籍が作られてから現在までの住民票上の住所の履歴が記録された書類で、本籍地の市区町村が戸籍と一緒に保管しています。
手順はこうです。まず自分の戸籍謄本を取得すると、婚姻時の戸籍(「従前の戸籍」)の本籍地が分かります。そこから元配偶者の現在の戸籍をたどり、その本籍地の市区町村に「戸籍の附票」を請求すれば、元配偶者の住民票上の現住所が判明します。元配偶者や子の親という立場であれば、養育費請求という正当な理由での取得が認められます。郵送でも請求でき、費用は1通300円程度です。
住所が判明したら、まずは手紙で連絡を試み、応答がなければその住所地を管轄する家庭裁判所に調停・審判を申し立てます。裁判所からの呼び出しには反応する人も少なくありません。呼び出しを無視し続ければ調停は審判に移行し、出席した側の言い分と資料に基づいて裁判所が金額を決定するため、無視は相手にとって不利に働くだけです。
ステップ2:電話番号や勤務先から調べる(弁護士会照会)
住民票を移さずに転居しているケースでは、附票でも現住所をつかめないことがあります。その場合でも、携帯電話の番号や勤務先などの手がかりが残っていれば、「弁護士会照会(23条照会)」という制度で調査できる可能性があります。
弁護士会照会とは、弁護士が受任した事件について、弁護士会を通じて携帯電話会社や勤務先などに情報の照会を行う制度です(弁護士法23条の2)。たとえば携帯電話番号から契約者の登録住所を照会したり、判明している勤務先に在籍確認をしたりすることができます。この制度は弁護士に依頼した場合にのみ利用できるため、手がかりが電話番号しかない場合は、弁護士への相談が実質的な近道になります。
当サイトで紹介している養育費特化型の事務所は、こうした所在調査を含めて着手金0円で受任するところもあります。「探す費用すら出せない」という状況でも、相談してみる価値は十分にあります。
ステップ3:それでも見つからないなら「公示送達」で審判へ
調査を尽くしても居場所が分からない場合でも、手続きを進める方法があります。それが「公示送達」を使った審判です。
裁判所の手続きでは、申立書などの書類を相手に届ける「送達」が必要ですが、相手の住所・居所が分からない場合には、裁判所の掲示場(ウェブサイト掲示)に一定期間掲示することで送達したものとみなす「公示送達」が認められています(民事訴訟法110条)。掲示から2週間の経過で送達の効力が生じ、相手が現れないまま審判が進み、裁判所が養育費の金額を決定します。
行方不明のケースでは話し合いの調停は機能しないため、最初から審判を申し立てるのが通常です。公示送達を認めてもらうには、住所地の現地調査(実際に住んでいないことの確認)などの資料が求められるため、この段階でも弁護士のサポートがあるとスムーズです。確定した審判書は強制執行のできる債務名義になります。
財産や勤務先が分からなくても裁判所が調べてくれる
「審判で金額が決まっても、相手の財産が分からなければ回収できないのでは?」——ここにも制度的な答えがあります。債務名義(調停調書・審判書・公正証書など)を持っていれば、裁判所を通じて相手の財産を調査できるのです。
「財産開示手続」は、相手を裁判所に呼び出して自分の財産を陳述させる手続きです。虚偽の陳述や不出頭には6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金という刑事罰があり、2020年の民事執行法改正で実効性が大きく強化されました。さらに「第三者からの情報取得手続」を使えば、裁判所が市区町村・年金機構に照会して相手の勤務先を、金融機関に照会して預貯金口座を、法務局に照会して不動産を調べてくれます。勤務先情報の取得は、養育費債権者に特に認められた強力な手段です。
2026年の民法・民事執行法改正では、財産開示の申立てと給与差押えの申立てを一体化した「ワンストップ執行手続」も導入され、勤務先が判明したらそのまま給与差押えに進める仕組みが整いました。行方不明・財産不明のケースの回収ハードルは、制度面では年々下がっています。
まとめ:調査から回収まで、一人で抱えなくていい
行方不明の相手への養育費請求は、「住所を調べる(附票・弁護士会照会)」「見つからなければ公示送達で審判」「債務名義を取って財産開示・情報取得」「差押えで回収」という道筋が制度として整っています。手順は多いものの、一つひとつは着実に進められるものです。
とはいえ、附票の請求から公示送達の資料集め、財産開示の申立てまでを仕事や育児と並行して一人でやり切るのは、現実には大きな負担です。養育費に特化した法律事務所であれば、所在調査から回収までを一括して任せられ、着手金0円・完全成功報酬制なら手元資金ゼロでも依頼できます。「もう見つからないから無理」と結論を出す前に、まずは無料相談で回収の見込みを確認してみてください。
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所在調査から公示送達・財産開示まで、行方不明のケースの実績が豊富な事務所です。
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※本記事は一般的な法制度の解説であり、個別のケースへの法的助言ではありません。具体的な判断は必ず弁護士にご相談ください。